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たかがピン、されどピン

ピンの解説

今回は「ピン」のお話です。ピンとは、バックルに組み込まれている棒状の部品です。ベルトの穴に差し込んで固定する役割を持っています。
ピンは、バックルで最初にご紹介した帆型バックルに欠かせないパーツです。
また中一バックルのお話にも出てきました。ごくまれな場合以外やはり必要になるものです。
これはまた,驚くべき働きをする事があります。

服飾業界で一番ポピュラーな甲丸ピン。

甲丸ピン_指示あり甲丸ピン横_23114_500px
甲丸ピンの甲丸とは、半円型、かまぼこ型のことをいい、このピンの断面を見たときに上半分はアーチ型で、下半分は平らになっていることから、この形状のピンを甲丸ピンといいます。
材料には主に甲丸線という棒状の線を使用します。アーチの高さは、線の幅により異なります。
甲丸ピンは見栄えのバランスや使い易さから、服飾業界では一番ポピュラーな形のピンと言えます。
弊社では、甲丸ピンは3.5mmが常設ピンとなり、在庫を持ちながら運営しております。

力強さを感じさせる丸ピン

丸ピン_指示あり丸ピン横_231104
丸ピンは、主に丸線棒を使って作ります。
甲丸ピンと比べると、下半分も丸くなっていますのでボリューム感があり、力強さを感じさせることから男性用のカジュアルベルトのバックルに使うことが多いピンです。
ベルト作りの際にハトメ(リング状の金具でピンを通すときや飾りとしても使用)を使う場合があると思いますが、バックルに丸ピン付きのものを使う時は、先にハトメにピンが入るかどうかをチェックすることが、特に大事な注意点となります。丸ピンの先端が少し広くなっているからです。
弊社では丸ピンは、3.5mm、4mmが常設ピンとなります。用途に合わせてお選びください。

平ピンはエレガントさを醸し出します。

平ピン_指示あり平ピン横_231104_500px
平ピンは面の平らなバックルに合わせて使うことが多く、非常にエレガントで繊細な
イメージを醸し出します。磨き上げた平ピンを使うとより美しさが増します。
ピンの幅のみならず、厚さも種類があるのでバリエーションも豊富です。

リバーシブルベルトの立役者、両面ピン

両面ピン_指示あり両面ピン横_231104
ベルトにはリバーシブル、すなわち帯の両面使いというものがあります。
中一バックルでリバーシブルに対応しているのが、このピンです。ピンを右に倒しても左に倒しても同じ形であるのがこのピンの特徴です。
この特徴を利用して、帯の面を変えて使いたい時には、ピンを逆に倒して帯の剣先の方向を変えればそれでOK 。
これだけで2色の帯を楽しむことができコーディネートが豊かになります。
写真のピンは丸棒を使っており、弊社では3mm、3.5mmを扱っています。、また、エレガントさが増す平ピンを使った両面ピンも扱っておりますのでご相談ください。

シンプルながらファッション性と機能性に富んだ中一バックル


ここまでは、バックルの代表格である「帆型バックル」のお話をしてきました。帆型バックルについては過去記事をご覧ください。ここからは、帆型と同じように使われる頻度が非常に高い「中一バックル」の解説をしていきたいと思います。

名は体を表す、中一バックル

中一バックルの中一は「なかいち」と読みます。通しバックルとも言います。
バックルの中に1本軸が通っている形状の特徴から「中に1本」で「中一」。また、その中にベルトを通すので「通し」バックルとも呼んでいます。
見た目通りなので分かりやすいのではないかと思います。

細いベルトには横長のバックルでスタイリッシュに

中一10mm_500px
婦人ベルトのバックルのサイズは、ほぼ10mmからになっています。
時計バンド用、靴尾錠用としてはそれ以下のサイズはあるかもしれませんが、
婦人ベルトバックルとそれらのものの違いは、その存在性です。
婦人ベルトバックルは帯が細いと、バックルも小さくなってしまいがちですが、その分
横長にしてその存在をアピールする傾向があります。
それはそのことにより非常にスタイリッシュな印象を持たせることもできます。
ウエストのベルトですから横長になっても、それほど邪魔にはなりません。
その点では、時計バンド、靴尾錠と少し事情が違います。

太いベルトには縦長のバックルでバランスを整える

一方、太いベルトの場合は、ファッションショーに使われるものなども含めると縦幅100mm以上のものを作ることがあります。これは縦の長さで十分に存在感がありますので、横幅は抑えることでバランスを整えることができます。

シンプルな構造の中に機能が盛り込まれた中一バックル

縦長、横長いずれにしても左右対称が多い中一バックルですが、左右対称ではない変形のバックルもあります。それもまた個性的で興味を引きます。左右対称だけでは面白みがない、向かって右のサルカン代わりになる方のラインに工夫をして変化を付け、芸術性を高めることもできます。

中一バックルの構造はとてもシンプルですがとても機能的です。

中一模式図_500px
まず帯の留め方ですが、ほとんど場合は、真ん中の軸に帯の一方をステッチがけして留め(図の①)、帯の反対側をバックルの下から差し入れて軸の上を通し(図の②)、バックルの下にくぐらせて固定します(図の③)。形に依ってこれだけで帯とバックルの摩擦で帯が留まり場合もありますが、多くの場合はピンを付けます。

もう一つのバックルの帯への留め方は、軸棒にオメガをかませ、帆型の様に使うという事もできます。バックルを交換するということも帆型の場合と同じ様にできます。
先ほども話しましたが、バックルの右半分がサルカンの役割をするので、新たにサルカンを用意する必要がありません。 非常に機能的と言えるでしょう。

なお、オメガやサルカンについては、過去の記事でご紹介していますので、合わせてご覧ください。
さて、前述の中一バックルではピンを使って帯を止めることが多いのですが、これも帆型同様、いやそれ以上にピンの種類がありますので、次回はピンの解説をしていきたいと思います。

オメガ、サルカンその2

【バックルの辞典】
今回は、オメガとサルカンについてもう少し詳しくお話ししたいと思います。

オメガは前回お伝えしたように、ベルトの帯とバックルを接合する部材です

オメガとサルカン_ブログ用
接合の方法には、オメガをバックルにカシメる方法と、カシメずに引っかける形にしてバックルを交換できるようにする方法があります。後者はコーディネートに合わせてバックルを変えたい場合などに使われます。カシメるとは、ここではオメガのベロを曲げて、バックルと接合することをいいます。

オメガ(ワニ)
さて、単体のオメガとベルトを結合する場合、殆どが「ワニ口」というギザギザのついた蓋で帯を押さえます。ここで大事なことはそのオメガ、ギザギザの歯の高さは調整できないので、ベルトの帯の厚さがその高さに合うかどうかをチェックしなくてはいけないということです。帯の厚さがオメガの歯の高さに対して薄すぎると抜けてしまいますし、厚過ぎると蓋が締まらないからです。

サルカンはベルトを見栄え良く整える部材

サルカン_ブログ用

サルカンは帯の余った部分を見栄え良く整えるものです。
素材は金属か、帯と同じ革、あるいは布にすることが一般的で、バックルのデザインや雰囲気に合わせて選択します。
金属のサルカンには、真鍮の線材を曲げ加工したもの、ゴム型や金型に亜鉛合金を流し込む鋳造、、砂型に真鍮を流し込む真鍮鋳物などがあります。最近弊社では、線材の種類の多さ、扱いやすさ、コスト等が考慮され、真鍮の線材加工品が多くなっています。

バックルや部材の製造方法については、別の機会に詳しくご紹介します。

サルカンとオメガの名前の由来

サルカンは猿の環?

釣りの道具に同じ読みをする「サルカン」があります。これは、猿回しの猿が引綱を回して切らないように、綱の捻り(より)を戻すための輪をつけたことから「猿環」という字を当てるようになったとのお話があちこちにあります。
ベルトの世界では帯の捻りを戻すとか、余りが「去る」環から「去る環」となったとのお話もあります。

謎に包まれているオメガの名前の由来

オメガに関しては、ネット、文献でもなかなか出てこないので、半世紀以上この製品を製造しているあるメーカーさんに伺ってみましたが、昔からそのように呼んでいて、由来は分からないとおっしゃっていました。
分かる方がいらっしゃいましたら、是非情報提供をお願い致します
(HPのお問い合わせからお願い致します)。

バックル辞典では、ファッションのコーディネートにかかせないベルト、バックルについてご紹介しています
次回は、帆型バックルの次に頻繁に使われる中一バックルの解説をさせて頂きたいと思います。
弊社へのお問い合わせ、バックルの紹介、ブログへは、
こちらから

【バックルの辞典】オメガ、サルカンその1

オメガって何?サルカンって?

オメガとサルカン(説明付β)500px

〈オメガの役割〉

バックルはベルトの帯と結合する必要があります。その方法は2種類あり、
ひとつ目は、バックルにベルトの端を絡ませて糸で縫い付ける方法(ステッチ)です。
ふたつ目がオメガを使う方法です。
例えば上の図は、バックル、サルカン、オメガが一帯になったものの図ですが、オメガは中が空洞になっており、ここにベルトの接続面を差し込みネジで留めます。図中の丸のしるしがネジ穴です。
このタイプには、ワニ口というギザギザの歯のついたふたで留めるものもあります。
さらに、オメガはバックルに直接オメガをカシメて結合させる単体のタイプもあります。これがポピュラーなタイプなのですが、これはまたあとでご紹介します。

〈サルカンの役割〉

帆型バックルは、ベルトを腰にまわして前にきた先端をバックルの中に通してピンで留めますが、大抵の場合、ベルトの先端の余った部分が留めた位置から垂れ下がってしまいます。 
サルカンは、ベルトの先端をサルカンに通すことで、バックル後ろの垂れ下がりを解決する部位(パーツ)です。さらに長く余った部分はパンツやスカートのループを使って調整することになります。

では次回は、オメガ、サルカンを写真等でご紹介させていただきます。

弊社で扱っているバックルの紹介、お問い合わせはこちら




【バックル事典】帆型バックル(その3)

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帆型の名前の由来を明かしつつ、その表情豊かなおしゃれさんの可能性を探っていきます

そもそも「帆型」とは何の意味?

これまで、ベルトの歴史とともに、バックルの代表的な存在である帆型バックルを紹介してきましたが、そもそも「帆型」とは何かをお話ししていませんでした。

帆型とは「ほがた」と読みます。字の通り「船の帆」です。初期のピンがついた円形のバックルの形状が、幾重にも帆を広げた帆船の帆の形に似ていたことから、そのように呼ばれ始めたというのが通説です。ピンがついているので「ピン付きバックル」とも呼ばれています。

今では形が四角でも三角でも(これは実際めったにありませんが)、ピンが付いているものの多くを帆型と言っています。
男性用、女性用共に一番見かける機会が多いのが帆型ですが、それだけ使いやすいということでしょう。

また、ピンも色々な種類があり、ピンが変わることでその表情が変わってきて、おしゃれの幅を広げてくれます。 
中一のバックルでもピンを使うことがよくあるので、ピンの種類については、中一のバックルの話の中で説明していきたいと思います。

ファッションの歴史とともに様々なバックルが誕生

ファッションに欠かせないバックルですが、帆型バックルの他にも様々な種類があります。
大きく分けると次の4種類です。

これまで紹介してきた帆型バックル(ピン付きバックル)、
ベルトバックルの歴史の中で、靴の飾りとして登場した中一バックル(通しバックル)、
バックルの頭のフックあるいはギボシ金具(球状の頭と胴が付いた金属の留め具)をベルトの穴に引っ掛けるトップバックル(これはベルトの歴史の中で、いの一番に使われた仕組みです)、
引っかけバックル(これはベルトの両端にバックルを付け、バックル同士を引っかけるものです)などが代表的です。
他はローラーバックル、中一の変形である中二バックルなどがあります。

代表的なバックルの簡単な特徴

帆型バックル(ピン付バックル)
  • ピンをベルトの穴に差し込んで固定するもの
中一バックル(通しバックル)
  • バックルの中に心棒があり、右側がサルカン代わりになる。
トップバックル
  • バックルの頭のフックあるいはギボシ金具をベルトの穴に引っ掛けるもの
ひっかけバックル
  • ベルトの両端にバックルを付け、バックル同士をひっかけるもの

次回は帆型には切っても切れない存在のサルカンと
オメガのお話をしていきます。


弊社で扱っているバックルの紹介、お問い合わせはこちら。


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